マイコプラズマとは?
マイコプラズマの除去を可能にするフィルター製品
マイコプラズマは「固い細胞壁を持たない」という特徴をもつ、非常に小さな細菌です。細胞壁の欠失はマイコプラズマに特徴的な弾性をもたらし、球体から枝分かれしたフィラメントまでの自由な変形と、直径0.15 ~ 0.3 μmまでのサイズ変化を可能にしています。この弾性によりマイコプラズマは0.2 μm(細菌保持性)のフィルターを通り抜けることができます。また細胞壁がないため、細菌の細胞壁合成を抑制するペニシリンなどの抗生物質では死滅効果がありません。
なぜマイコプラズマに注意する必要があるのか?
マイコプラズマは細胞培養に一般的な汚染微生物です。極めて小さなサイズで穏やかな増殖率を持ちます。マイコプラズマが感染すると、いずれの細胞培養においても潜行性の影響をもたらします。例えばマイコプラズマ感染が起こった場合、100 万個
の哺乳類細胞を含む培地には500 万個程度のマイコプラズマが存在する可能性があります1)。
このような大量の汚染微生物の存在は、感染した宿主細胞の構造と機能において以下のような強い影響を与える可能性があります。
▶細胞増殖率の変化
▶細胞の形質転換の阻害や刺激
▶潜在的に害のある形態変化
▶ DNA、RNA、タンパク質合成の異常
▶酵素反応の異常
▶染色体の異常
▶ウィルス収量の減少もしくは増加
▶培地からの栄養塩類の枯渇
▶細胞表面抗原性の異常
▶腫瘍細胞の悪性減少
これらのマイコプラズマ汚染が培養細胞に対して与える潜在的にネガティブな影響は、マイコプラズマ感染した細胞から得られた全てのデータ精度は疑わしく、注意と疑いをもって取り扱うべきものとしてしまいます1)。
(1)参考文献:Stanbridge, Eric J. Mycoplasma Detection –an Obligation to Scientific Accuracy. Israel J Med Sci 17:563-568, 1981.
マイコプラズマ除去に必要な孔径は?
マイコプラズマは孔径0.1 μmフィルターを使用したろ過で捕捉可能です。ポールは、マイコプラズマ除去に適した、本質的に親水性なポリエーテルスルホン膜の孔径0.1 μmのスーポア メンブレンを製造しております。
ポールはこのメンブレンを組み込んだ、組織および細胞培養用の様々なフィルター製品を提供しています。これらのフィルター製品を使用することで、血清や血清を含む培地から、お客様の細胞培養液へのマイコプラズマの混入を防ぐ、最良の保証が得られます。
孔径0.1 μmのスーポア メンブレンは、25 mm および32 mmサイズの滅菌 アクロディスク シリンジフィルター、アクロキャップ 滅菌加圧ろ過デバイス、バキュキャップ 滅菌ろ過デバイス、滅菌 アクロパック カプセルフィルターにてご利用になれます。